就任のご挨拶 2026-2027年度会長 中村 道一
2026-27年度、会長という重責を担うにあたり、活動指針として「善意の行為としての楽観主義(Optimism as an act of goodwill)」を掲げます。
これは、根拠のない楽観や、成り行き任せの受動的な姿勢を指すものではありません。揺るぎないロータリースピリットと、自らの意志に基づく主体的な行動に裏打ちされた、確固たる信念であり、決意であります。
かつて、私はロータリー活動において、無力感に苛まれていた時期がありました。どれほど意義ある奉仕を重ねても、救いきれない多くの課題が背後に横たわっている現実に、自らの活動は単なる自己満足に過ぎないのではないかという葛藤を抱いていたのです。
しかし、地区での活動を通じ、多くの善意ある方々と出会い、その情熱が着実に世界で、コミュニティで、人々の笑顔を生み出している事実を目の当たりにしたことで、たとえすぐに世界を変えることができなくとも、環境によって私たちの「善意」や「意志」までを変えられてしまわぬよう、正しいと信じる道を歩み続けることの大切さを知りました。
その小さくとも確実な活動が、やがて世界を良い方向へ変える「バタフライ・エフェクト」を巻き起こすことができるのだと思い至ったのです。この「善意の行為」こそが、私たちを突き動かす原動力であり、世界に持続可能なインパクトを生み出す鍵となると信じて疑いません。
当クラブは約100名弱という規模です。これは、人類学的に見て、互いの性格や価値観を深く理解し、強固な「信頼の共同体」を築くことができるとされる最大規模(ダンバー数)の範囲内にあります。この規模の優位性を最大限に活かし、「忠恕(ちゅうじょ)のこころ」を基盤とした対話を重ねていきたいと考えます。
「忠恕」とは、すなわち自らの良心に忠実であり、相手を思いやる心です。この精神があればこそ、私たちは単なる意見交換の場を超え、批判を恐れず、互いの背景にある思いを理解し合い、共通の理解を探し出す「共同思考(collective thinking)」が可能となります。
今年度、「伏見RCビジョンステートメント」の策定という、クラブの歴史においても重要なプロジェクトに挑みたいと考えています。
これは単なるスローガン作りではなく、私たちの進むべき道を可視化し、55周年、そしてその先へと襷をつなぐための、「我らクラブの旗印」を創り上げる作業です。会員全員の思いを紡ぎ上げ、頭上に高く掲げる共通の旗を立てる。共同思考によるこの過程そのものが、強固な「信頼の共同体」をより盤石なものにすると確信しております。
ロータリーも、そしてあらゆる組織体も、常に環境と共に変化し、成長し続けることが存続の条件です。世界で、地域社会で、そして私たち自身の中で、成長をもたらす持続可能なインパクトを生み出す(Create lasting impact)ために、今年一年、皆様と共に、主体的な「考動」を実践し、意志の力による楽観主義を貫き通し、次代に誇れるような新しい扉を開くことができればと考えています。
至らぬ点も多々あるかと存じますが、宮本幹事をはじめとする理事・役員、そして何より会員の皆様のお力添えをいただきながら、全力で取り組む所存です。どうぞ一年間、よろしくお願い申し上げます。
京都伏見ロータリークラブ 第54代会長 中村 道一




